桐原書店 071 英語Ⅱ PRO-VISION READING 2
READING 2 The Sense of Wonder
リーディング2 センス・オブ・ワンダー
P.157
甥のロジャーが生後20ヶ月ほどだったある嵐の夜、私は彼を毛布にくるみ、雨の降る暗闇の中ビーチへと降りて行った。
どこかも見えない場所のちょうど端では、大きな波が大きな音を立て、ぼんやりと白いものはとどろき、私たちに向かってたくさんの泡を投げかけてきた。
私たちは純粋な喜びで一緒に笑った‐オケアヌスの激情に初めてふれる赤ちゃんの彼と、生涯の半分を愛する海と過ごしてきた私。
しかし、その唸りをあげる巨大な海と周囲の激しい夜に対する同じぞっとする反応を私たちは感じたのだと思う。
この特定の夜の冒険は人生に関するものだった、なぜなら、昼間ビーチにいるのをロジャーがちらっと見かけた砂色の足の速いユウレイガニを私たちが探していたのだった。
しかし、そのカニは主に夜行性で、夜ビーチを歩き回っていないときには、波打ち際近くに小さな穴を作って隠れ、海が運んできてくれるものを見つめ、待っているようだった。
私にとって、海の非常な力に立ち向かう、孤独ではかないこの小さな生物の姿には、心を動かす哲学的な含みがあり、私はロジャーと自分が同じような感情で反応したと言い張ることはしない。
しかし、風の歌も暗闇も波のとどろきも怖がることのない、世界の自然のものに対する彼の幼い受け入れを見るのは良いことだった。
この冒険の分かち合いには、嵐も穏やかな日も、夜も昼も含まれ、教えることではなく一緒に楽しむことに基づいている。
【WORDS】
tumult 〔名詞〕 激情
Oceanus 〔固有名詞〕 オケアヌス
half a lifetime of ~ 〔熟語〕 半生(分)の
spine-tingling 〔形容詞〕 ぞっとする
roaring 〔形容詞〕 唸りをあげる
ghost crab 〔名詞〕 ユウレイガニ
nocturnal 〔形容詞〕 夜行性の
fragile 〔形容詞〕 壊れやすい
overtone 〔名詞〕 含み